夜空に消えた喝采 「ノートルダム大聖堂」
ストラスブールに行ったことの意味、を問われたら、
いまなら「この大聖堂を見るため」と答えるのではないだろうか。
TGVに乗ること、街の可愛さとドイツ色の濃い料理を堪能すること、を目的にしていたストラスブール小旅行。そこで、おどろくべき大聖堂を観た。写真は、250年もの歳月をかけて建てられ、高さは150mほどもあるという「ノートルダム大聖堂」。
旧市街を散策していると、中世の町並みに赤褐色の巨体が突如として現れる。その肌はローズのように気品溢れ、天にはてしなく突き上げられた尖塔の高さは、道行く人を数分そこに立ちすくませるほどのオーラがみなぎっていた。
昼間の神々しさはいわずもがなだけど、夜のライトアップはどうしようもないほど気高く妖艶で、図らずも涙を流してしまった。(アタシだって、感動の涙ぐらい流すんだいッ)
言葉よりも、観た方が早い。
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放心状態で見た自分の目に涙が流れてしまったのは本当の話で、それは、その美しさに流したものなのか、あるいは情けない感情に少し心をかき乱されたからかは定かではないけれど、どういう理由であれ、見るべくして見た、ものだと思う。
実は、ストラスブールでは終始風邪で絶不調で、だるい体を引きずって疲れ、かつレストランのチョイスミスをしたりと、あまりいい思い出がなかったのが本当のところなんだけど・・・この大聖堂を観るがために、パリから数時間かけてもう一度訪れてもいいかもしれない。
それはそれはもう、圧巻。