パリ・ブレスト
味はゼロ点。
ホストはパンを、パン屋ではなくスーパーで買っていた。スーパーのすぐ横にパン屋があるのに、だ。ちなみにスーパーのパンは、どうみても「パン職人が気合入れて焼きました!」ってな扱いをされていないのに、抜群に美味しい。パン・オ・ショコラはサクサクで、中のチョコレートも旨い。
パン・オ・ショコラを注文したのに、チョコなしのパンを詰められることもあるけれど、それでもそのパンすら旨い、というスーパーだ。
あいにく、目当ての品は売り切れで、「じゃあ、いいです(となりのスーパーで買うから)」と出るわけにもいかなかったので、仕方なくパリ・ブレストを買った。そしてそれから10分後、ホストがパンをスーパーで買う理由をわかってしまった。
美味しくなかったのだ。びっくりなほど。
美味しいものは世の中にたくさんあって、特別美味しいわけじゃないものもたくさんあるけれど、美味しくないものって実は意外と少ない。日常わたしたちは、本当に美味しいものと、絶品とまではいかないけど美味しいものの間を行ったり来たりしていて、「美味しくない」ものってそんなには出会わない、と私は思っている。
でも、頑張らないと食べれないものもある。
牧歌的な景色が広がるフランスの片田舎で、ブランジュリーでお菓子を買ってベンチに腰掛けて食べる。シチュエーションは満点なのに・・・まったく美味しくない(笑)。外的要因が微塵も影響を及ぼさない潔さに、ある意味、感動! した一日。