DOMAINE DE LIONS ワイン農場もあったのだ。
【追伸】
家にある雑誌を読み返していたら、酒井順子さんのコラムがあった。かいつまんで言うと、いつからか「サラダだけで十分」などという小食ブリで女子度をアピールする時代は終わり、むしろ気持ちよく豪快に食べる女子が好まれる傾向にある(ので、大食いを芸風にしている女子にイラッとくる)という話だった。
それで、みるみる蘇る記憶があった。
高校生で初めて彼ができたとき、一緒に行ったファミレスで小食女子を演じたことがあった。ハンバーグに付け合せが数種類付いた鉄板プレートを注文したわたしは、ハンバーグも付け合せもセットのごはんも、ほんの少しずつ残したのだ。「こんなにたくさん食べられないわ」というメッセージを込めて。
「どうしたの。もうお腹一杯になっちゃったの?」と、
仔ウサギちゃんでも見るように、愛おしそうに目を細めると思いきや、
「なんだよ。全部ちょっとずつ残して。行儀悪ぃな」と彼は言った。
もはや、余裕のよっちゃんで食べられる本当の自分を告白できるわけもなく、「そうだよね。頑張って食べるね」的なことを言い汚名返上を試みるはめになった。黒い鉄板プレートに行儀悪く残されたポテトグラタンの姿が、今でもフォトジェニックに蘇る。
あぁ、16歳のわたしはなんて幼く、バカで可愛かったんだろう。
そして彼は、なんてまともな男子だったんだろう。