同じだけど違う朝
たまに話をしながら、たいていはそれぞれ新聞や本を読みながら。
おおきな窓に囲まれた、空の下にそのまま放り出されたみたいなキッチンで、
まだ日の昇らない空を背に、バターとジャムを塗ったパンを二人で静かにかじった。
7:00にロイックがトイレに行って、7:10にわたしがトイレに行く。
これは数日かけて確立された、暗黙の了解事項。
出掛けたくてむずむずしている犬達を連れ、車で5分ほどのヤギ小屋へ向かう。
2週間変わらず繰り返した、同じ朝。
私はチラリと見て、「浸さないほうがおいしいよな」と頭の中でつぶやく。