四谷三丁目「りんごの絆」でディナー
「愛しくて、ちゃんをつけちゃいたい」というシェフの野菜への愛情の大きさは、お皿の上の野菜を食べればすぐに伝わってくる。「りんごの絆」でいただいた料理はどれも、シェフの愛情を一心に受けた野菜たちの、秘められた力で溢れていました。
期待をはるかにしのいで、どのお料理も驚くほどおいしかった。
グラスは白樺の樹液。雪解けの頃に、白樺の幹に蓄えられたまろやかで甘みのある水。多くの栄養成分が含まれる「生命の水」だそう。やわらかく、ふくよかな甘みのある水だった。
こごみはシェフの実家から届いたばかりという新鮮さ。「嬉しくて、多目に盛っちゃった」(シェフ談)んだそうです(笑)。やったぜ。
トマトに塩をふり、10時間もの時間をかけて水分が出るのを待つ。色が赤くなるから潰してはいけない、絞ってもいけない。ただひたすら、水分がその実から落ちるのを待つのみ。そうして丹念に採取したトマトの雫を、ソルベに仕上げる。
お料理がたくさん出すぎて、名前を覚えていないのです。
玉ねぎ、水、塩、胡椒しか使っていない、という説明が信じられないほど甘い。野菜の甘さってこんなにあるのかと感服してしまいました。子どものころ、玉ねぎとネギだけがどうしても食べられなかった・・・。もし子どものころにこちらのお料理に出合っていたなら、きっと私の幼少時代は変っていたんじゃないかな。だって、デザートみたいに甘いんだよ。甘みっていうより、甘いんだよ!
ジェラートは一瞬頬が緊張するほど酸味があるのに、ハチミツの甘みが加わるとちょうどよいバランスでスイスイと口に運んでしまう。チーズケーキの下に敷かれたビスキュイもサクサクでなんて美味しいの♪
まさに生姜のプリン! まったく味を想像できなかったのですが、思えば生姜ってデザートに合うのですよね。ジンジャー○○ってよくあるもんね。
お肉もお魚もとてもおいしかったのだけど、心に残っているのは、やっぱり野菜料理。特に「トマトの雫」と「ゴボウのジェラート(アイス?)」は、それだけ食べにまた再訪したいほどで、これを書いている今でもなんども唾を飲んでいます。素材の甘み・香りを活かすとこんなに壮大な味になるの!?と驚きっぱなしでした。
どのお料理もテーブルに出されたとたんに皿を空けてしまうほど美味しくて、3人とも、みるまに皿がきれいに片付いていました(笑)。十分おしゃべりもしたんですけどね、お腹抱えて笑ったんですけどね、手はちーっとも休んでいませんでした。
(だから食いしん坊って好き!)
お店を出るときにシェフとお話をすることができたのですが、会話の中から野菜への愛情がひしひしと伝わってくる。トウモロコシのことは、最初、「もうすぐトウモロコシの季節」と言ったのに、「あ、トウモロコシちゃんの季節」と言い直していらっしゃいました。ちゃんを付けずにはいられないのだそう。
「手に入った食材を新鮮なうちにベストな状態で出す」ため、メニューに料理名はない。書いてあるのは本日の素材のみ。夏になったら「夏だから」なお料理を楽しめるそうで、かならず夏バージョンも食べに行きたい! いやはや大満足のお店でした。
マイキーさん、素敵なお店を教えてくださりありがとうござました。
【訂正】
いまはもう直っておりますが・・・お店の名前、超間違えました。
正解は「りんごの絆」。
この日のメニューの1つ「トマトの雫」にあまりに感動したためか、
最初は店の名前を「ぶどうの雫」と書きました…。
んで、「ちっが~う!」とご指摘いただき、慌てて直したのが「りんごの雫」
直したぜ、と意気揚々としたのですが…「りんごの雫」じゃねぇ。
「りんごの絆」だ。
もう、わたしったらおっちょこちょいさん。
(間違いも甚だしい日記でした。訂正してお詫び申し上げます)