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ネコな海老


by neko_ebi
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僕らの羊毛生活

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毎日毎日、羊毛と戦いました。

ホストファミリーの屋根裏部屋に上がると、フロア一面羊毛だらけだった(注:屋根裏といっても、ものすんげー広い)。これを全部洗い、汚れを処理したり、乾燥させたりするのか・・・と思うとがっくり。でも、みんなでもくもくと羊毛に向かいました。

※羊毛についた汚れを手作業で取り除いているところ(というか、全工程手作業なんですが…)。羊毛にはワラや虫、蝶(蛾?)のたまごちゃんとか、コロコロウンチちゃんとかなんでもくっついているので、それを丁寧に取るのです。ちなみに羊毛ってとってもオイリー。



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熱湯洗浄後、風通しのよいところで乾かしているの図。

刈った後の羊毛は、キレイさ具合で洗浄の工程が微妙に違う。ごみを取り除いてから熱湯に入れるときもあれば、ダイレクトに熱湯にぶち込むものもあれば、熱湯洗浄後に冷水で何度も洗ったり、洗わなかったり。ネットで調べると、洗うときにはどうやら洗剤を使うようだけれど、ここでは一切使っていなかった。

ホストのミッシェルの指示の元、屋根裏から運び出された羊毛は、テーブル→鍋→バケツ→倉庫→ベッドと旅を続けていく。
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羊毛を完全に乾燥させているの図。ベッドのすぐ脇に暖炉があって、家の中のベストポジションを羊毛が占領している(笑)。日中、暖炉の上には大きな大きな鍋が鎮座していて、鍋の脇に立ち、暖炉の熱風と戦いながら1日は過ぎていく。

「鍋のお湯を入れ替えたほうがいいよね」
「チーズ小屋に行って、新しい熱湯を持ってくる」
(↑チーズ作りに使う鍋や器などは熱湯消毒が欠かせないため、
必ず超熱いお湯が出るようになっている。それはどの農場も同じだった)

「その羊毛は外で水洗いを2回してね。こっちは水洗い不要よ」
「ええっっ? あの羊毛一緒に入れちゃったの?(汗)。
あれはとても質のよいやつだから一緒にしちゃだめよ」

「ねぇ、ミッシェル。もう干す場所がないよ」
「お湯が沸いたよ!次の羊毛入れていい??」

とにもかくにも1日中羊毛だったのだ。熱湯洗浄するときはなんともいえない羊臭があたりを覆って、最初は顔をしかめていたけれど、2日・4日と経つうちにまったく違和感なくその香りと共存できるようになった。WWOOFerの1人が言っていた。

「なんていい匂い♪ 最初はキライだったけど、今は大好きだ。
この匂いを嗅ぐと、かわいい羊たちを思い出すから」

もしも店先で毛糸を見つけたら、多分わたしは匂いを嗅いでしまうだろう。そして、なにも匂わない毛糸を手にして、きっと思い浮かべる。いくつもの工程を遡って、誰かが鍋で羊毛を煮ている姿を。

※すべて手作業でやっている毛糸なんてなかなか出会えないと思うけどさ。

ホスト夫妻は羊毛を屋根裏の断熱材として使うのだが、ミッシェルは糸紡ぎに興味があるらしく、ある日、村にある糸紡ぎ職人の家に見学に行った。
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糸車(というんだろうか?)。フォルムがとても美しい

洗浄→乾燥させた羊毛は、ドッグブラシのような形をしたカーダーを使って丁寧にしごかれる(カーディング)。この工程で小さな小さな汚れが取り除かれ、繊維が同一方向へと揃う。その後、糸車にかけて一本の糸にしていく。
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同じテンションで送り出さないと、ダマができたり途中で切れたりするからとても難しそうだ。紡がれた糸は、最終的に2本を拠り合わせて毛糸が完成する。

毛糸は、羊はもちろんのこと、馬とか犬とかいろいろな動物の毛から作ることができる。ええ? 犬の毛でも?? と思って驚いたけど、カーディングをして紡がれた犬の毛は、羊毛に負けないほど素敵な毛糸になっていた。
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提供者:オリバー(職人の飼い犬)
提供者:ディアゴ(職人の飼い犬)

ね、素敵でしょ?
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by neko_ebi | 2010-01-28 07:49 | 旅(フランス)