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ネコな海老


by neko_ebi
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シリアルを食べる

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わたしのホストはガエル(女性)とロイック。ガエルのお腹にはいま赤ちゃんがいる。
二人ともすごく働き者で、そしてとてもやさしい。
到着して4日目の晩、ロイックが言った。
「今夜映画を見に行くんだけどどうする? 一緒に行く?」
「・・・Non,ありがとう」

映画はフランス語だというし(当然)、なんとなく二人のデートを邪魔してしまう気がしたから。
でも一番の理由は、このころ、
話す言葉を必死に探さなければいけないことから、とにかく逃げたかった。
だからお留守番を選んだ。

「僕たちはもう出かけるけど、夜ごはんはどうする?」
「フランスのご飯? 日本から持ってきたものをたべる?」

いろいろ説明が必要ないように「日本食食べるから大丈夫」と答えた。

「バスタもあるしシリアルもあるから食べていいよ」
「ジャガイモもほかの野菜も、なに使ってもいいからね。ここにあるから。君の好きなように」

何をどう使うか聞くことから逃げて「うん、ありがとう」とだけ答えた。
またすぐに、

「このシリアルがすごくおいしいんだよ。これ食べれば? 作り方を教えるから」
「お湯を沸かして。火を止めて、あとは入れればいいだけ」
「バターはこのくらい。くるみぐらいのサイズ・・・くるみぐらいって・・・わかる?」





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そんなわけで、シリアルを作って食べた。

好きなように使っていいといわれた野菜も、まだどこまですき放題していいかわからず、
にんじんを1本だけいただいた。キャロット・ラペにしてシリアルと一緒に。

あの夜。正直に言うと、二人が帰ってくるのが怖かった。
「映画どうだった?」も「どんな内容だった?」も「なに食べたの?」も聞けない。
質問を投げることはできても、答えを受け取ることができない。
そんなことを考えていたら、一人でいられる時間はとても心安らぐものだった。
一緒に行く? って誘ってもらったことも、夕食の心配をしてくれたことも
すごく嬉しかったのに、ただただ、わたしには言葉がなくて逃げたかった。

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でも、いまは少し違う。

多分いまなら一緒にくっついていって、観終わったあとに、
「ち~っともわからなかった♪ 残~念」って言える。
一緒に行かなくても、答えを受け取れきれなくても、
「映画どうだった?」って聞ける。
「わからない。何て言ったの?」って3回くらいまでなら聞き返せる。

それが1週間経ってできるようになったこと。
1週間、二人と生活を共にして、やっと、やっと、そんなふうになれた。

とてもスローペースだけど。


【私信】
petit a petitでいくね<ヨウチン
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by neko_ebi | 2009-11-24 18:42 | 旅(フランス)